生き残り

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生き残り

麻里奈は、体中震えが止まらなかった。 死死森霊子が…いる? この、クラスの…中に? 麻里奈は、クラス全員の顔を見渡し、霊子か確認する様に眺めた。 胸に、手を当てると心臓の鼓動が早い。 梨理香は、恐怖している麻里奈の顔を覗き込む様にして、声をかけた。 「ねぇ!」 体をビクっと飛び上がる様に反応した。 「っうわぁ!」 「大丈夫なの? そんなんで。」 「大丈夫!」 明らかに同様しているが、梨理香はそれ以上追求しなかった。 海斗が、ナイフを出した。 倉本由里と言う生徒が、問いただした。 「そのナイフは、何に使うつもり?」 海斗は、由里を見たが目を逸らし答えた。 「この死体…降ろさないと誰が犯人か分からないだろ? 神城は俺が殺す筈だったのに、まさか横取りされるとは!」 糸を切り死体が、地面に落下した。 ドサ。 海斗は、足で死体を動かし青向きにひっくり返した。 海斗は、首の切れ目を入念に調べている。 「これ、ナイフじゃあないな。」 麻里奈は、反応を示した。 「え! ナイフじゃないの?」 海斗は、顔を死体に向かって振った。 「良く見ろ。 あんなに綺麗にナイフじゃあ切れない。 男でも、無理だ。」 「じゃあ、何で切られたの?」 梨理香は、指を死体の首の切れ目に擦り当てていた。 「ここ、儀式を行う為に建てられた物だけど、学校に本来ならありそうな物は、置いてあるんだよ!」 麻里奈の顔は、青ざめていく。 「じゃあ、ノコギリとかも?」 「うん。あると思うよ?」
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