9人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
結果だけ言うと高橋さんはホッコリ部には来なかった。
本人の承諾を得ぬまま話は進み、どんどん話を進めた事により、まるであたかも高橋さん本人が承諾を得ているかの様な流れが出来ていただけであった。
まさに試合に勝って勝負に負けたと言う事の様にも思えた。しかし、魔法研究部ことホッコリ部が解体される事も無く今もこうしてあり続けていた。
「ところでさぁ、孤孤ッチ?そこの紅茶苦いからもうちょっと薄めてくれない?」
しかし、その言葉を遮るように叫んだのは奏であった。教室の真ん中に設置された奇妙なテラス席は今も健在である。
「嫌よ!なんで魔梨花一人の為に、薄くなった紅茶飲まなきゃいけないのよ!」
「まぁまぁ奏さん。お湯はカップに注げば、、、、、って私馴染んでる!!」
テラスにはモフモフ委員長も座っていた。そして何故かOLの如く甲斐甲斐しくお湯を注ぎに行ったかと思ったが、時折我に返ってツッコミを入れてくる。
「でさ?今度五人になったんだし歓迎パーティーも兼ねて何処か遊びに行こうと思うんだけど。部費で纏も行くでしょう?」
テラス席には甲冑部長ことデュラハン纏がどういう原理か紅茶を甲冑のまま飲んでいた。結果的に試合に負けた事と、高橋さん許可を得なかった事の責任もあり部長を辞任。
したはずだったが。思った以上に甲冑部長は慕われていた為、今は部活を兼任しながら部員育成を続け試合と部長業務は完全に引退する形で鞘に納めた。
最後の一人は、魔梨花が勝手に”んじゃ、これで先に出しちゃえばいいんじゃね?”とモフモフ委員長こと孤狐の名前を勝手に書いて部活申請書類を提出したのだった。
半ば強制ではあったが、部員は集まり今日も放課後の教室の真ん中で五人はホッコリするのであった。
「うな重が部費で降りるかぁぁぁっぁ!!」
モフモフ委員長の叫びと共に、歓迎会は自腹となったそうな。
最初のコメントを投稿しよう!