打たれたピリオド

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正直ヤバイと思った。 完全に陸人先輩を怒らせてしまった。 「それ、どういう意味? 俺は最高にいい結婚をしたと思ってるけど?」 でも、もう今さら違うとも言いたくない。 「……えぇ、でもできちゃったから……ですよね。 去年会った時は彼女はいないって言ってましたよね……?」 去年私と彼が出席した高校の時のサッカー部の飲み会では、彼に彼女がいないことをちゃんと確認していた。 よし、と心でガッツポーズをし、彼に好き好きアピールをしたのは忘れていない。 彼は「あぁ……」と、肯定したので「……田宮先輩にのせられちゃったんですよね……」と続けた。 「勘違いも勘違い。 しかたなしに結婚なんてありえーし……。 はぁ……。北川が思ってるのとは逆だぞ」 「どういうことですか?」 「北川の言うとおり、たしかにできちゃった結婚だよ。でもそれは、俺のせいだ」 「そんなはずないです。意味がわかりません……」 「俺は9年間史奈が好きだったんだ。 だから、自分の欲のために妊娠を狙ったんだよ」 陸人先輩が……そんなはずない。 そこまで田宮先輩を……? 「のせたっていうなら、俺の方だよ。 しかたなしに結婚することになったっていうなら、それは史奈の方だ」 彼がそれほど彼女を愛しているなんて思いたくない。 瞬時、周囲が真っ暗になり、頭がきんと痛くなった。 まるで、深い深い穴に落とされたような……。 自分がどんな顔をしているのかもわからない。得意のぶりっこ顔も作れない。 気付いた時には部長に声をかけられ、私は二次会組の輪の中にいた。
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