誰の?

1/1
前へ
/110ページ
次へ

誰の?

 運ばれてきたラーメンには、毛が一本浮いていた。  誰の毛だこの野郎。せっかく後輩達が、引退する俺を労って連れてきてくれたってのに。  憤然とカウンターの向こうを見渡すと、毬栗頭が四つ。  何も知らない坊主頭の後輩が、背筋を凍らせた俺に声をかける。 「先輩、これで好きなだけ髪を伸ばせますね」
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加