旧校舎奇譚

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旧校舎奇譚

 私達の学校には、開かずの旧校舎がある。 「どうして取り壊してしまわないんです?」ある日の下校間際、私は先輩にそう訊いた。  先輩は教えてくれた。「人道的配慮ってやつさ。あそこではね、忍び込んだ人達が今も彷徨っているのさ。ご覧」  見上げると、誰もいないはずの四階に、明かりが灯っていた。
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