《出逢い》

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《出逢い》

都内某精神科病院。 小児病棟… ここにPTSD後遺症を改善するためにショートステイをしている少年がいた…。 津賀陽平、8歳になったばかりの少年は、二年前に踏切事故で、目の前で母親を亡くし…悲惨な事故現場を目撃したことで心に傷を負ってしまった… 踏切の音を聞くとフラッシュバックで過呼吸を起こしてしまう状態… それを少しでも改善できるようチームプログラムに参加していた。 治療プログラムの子供たちのお話会が終了し、病室に戻る途中、苦しげな泣き声が聞こえて…その部屋の小窓を覗いてみる。 そこには手に拘束手袋をつけ、ベッドへ看護師2人がかりで押さえ付けられている子供の姿…。 激しく泣き叫んでいる… そのまま腕を縛られて、注射を打たれている。 「陽平くん、部屋に戻りましょう」 気付いた看護師が陽平に声をかける。 「あの子はどうして泣いてるの?押さえてるから?」 「違うのよ、ああしないとあの子は自分を傷つけてしまうから…」 「……傷つける?」 「さ、行きましょ」 「でも、」 「あの子はもう普通に生活することはできないの、あなたは違うから…頑張って克服しましょうね」 僕とは違う? 同じ子どもだよ? 何が違うの? 看護師がの説明に納得できないながらもその日は自分の病室に戻った。
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