サンジ2

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サンジ2

○月5日 大阪への出張が終わり、東京に帰る日。 いつものように新幹線に乗っている間の暇つぶし用の本を探そうとしていたところ、年季の入った古本屋を見つけた。 たまたま目についた『サンジ』のタイトルの本は、棚から抜いて本の表裏を確認してもあらすじも作者も載っていない。 店主に確認しても、そんな本置いていたかの記憶も定かではないらしい。 普通の本と違うその中身が気になりカウンターに持ち込めば、本当に売り物かもわからないからと無料で譲ってもらった。 これはツイていると新幹線の中で意気揚々と読んだが、中身は作家が書いたものか疑問に思う程に拙い物語だった。 ただ、あとがきに書いてある注意事項ともとれる文が気になる。でもまあ、そう敏感になりすぎる事もないだろう。 家に着くなり、いらない雑誌や本類纏めているところへ投げ捨てた。 無料で本も貰えてツイていると思ったが、とんだハズレを引いた。明日は休みだし、妻を買い物にでも連れてってやろう。
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