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オートロックを外し 中に入って最上階まで
エレベーターで上がる。
高級感のある絨毯が敷き詰められた廊下を進み
一つしかない重厚なドアの前に来て
二人でまた顔を見合わせた。
「ホントにここかな。。こんなとこ
俺たちが住んでいい訳無いし もしかしたら
新しく他に部屋があって。。」
「だったら お前が一番わかってんだろ。」
諦めの悪い神田に そう返すと ぐむっと口籠る。
龍兄に貰った鍵を鍵穴に刺すとスムーズに回った。
「開いたな。」
そう言っても神田はまだ信じられないのか
自分の鍵でも試してみて 閉まったり
開いたりするのをしつこく確認すると
ガックリと肩を落とした。
しょーがねえな。
「ほら。行くぞ。」
手を握り ドアを開け中に入る。
玄関の電気をつけ 靴を脱いで廊下を歩き
リビングへのガラス戸を開けると
目の前に綺麗な夜景が広がった。
昼間は掃除に入った事があるけど 夜は初めて。
ポカンと口を開ける神田を眺め
「これはヤバイな。」とおどけて見せると
神田は コクンと頷く。
「やっぱなんかの間違いじゃ。。」
「鍵開いた時点で間違いじゃねーだろ。
もう諦めろよ。」
リビングの真ん中に置いてあるローテーブルに
灯りのリモコンを見つけ 電気をつける。
パッと明るくなったリビングには革張りのソファー。
あれ。。これ。。
「・・家具。。新しくなってんな。。」
え?
神田は目を見開いた。
対面式キッチンの前に設置されてる
ダイニングテーブルも見た事が無い物だし
キッチン自体 新しくなってる気がする。
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