序曲

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この四年。 取れる資格は取り 出来る事は全てやった。 周りの甘ったれたガキどもとは極力絡まず 正体を気づかれないよう細心の注意を払う。 せっかく高嶺兄貴が手を尽くし 組と切り離して入れてくれた大学を 途中でクビになる訳にはいかない。 必死に勉強して 実践代わりに 組の事業の手伝いをして。 遊ぶ時間はおろか 睡眠時間も削り あっという間に四年が経った。 途中 組から離れている事に不安を覚えて。 自分の選択が間違っていたんじゃないか。 そんな風に悩んだ事もある。 兄貴もわかっていてくれてたのかもしれない。 だから式に出ろって言ってくれたんだよな。。 あの人は終始冷静で それでいてとても懐が深く 性根はとても優しい 大人の男だ。 同性にしか興味が持てない自分の感情が 憧れから恋に変わるのに そんなに時間はかからなかった。 こっぴどくフラレたけど。 今は 良かったと思ってる。 辛くて苦しくて 死んでしまいたいくらい 悩んで泣いて 諦めて。 辿り着いた先は 【目標】だった。 あの人みたいになりたい。 どうすれば 少しでも近づける。 考えて 選んだ道が大学進学。 トップの大学を首席卒業した人には遠く及ばないけど それなりに恥ずかしくない程度で卒業出来た。 ただ。とにかく大変だったのが。。。
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