宴会

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ものすごい喉の渇きで目が覚めた。 まるで砂漠に放り出され 干上がる寸前。。 あれ。。ここ何処だ。。 見慣れた天井。。 え。。 直人は 急いで上半身を起き上がらせ キョロキョロと辺りを見渡す。 自分のアパート。。 ああ。。やっちゃった。。 ぶっ倒れたのか。。 樋口さんに 飲め飲めと言われて コップ酒を数杯飲んだ記憶はなんとなくあるけど。。 まずい。。 今 何時だ。 ちゃんと礼も言わずに こんなの駄目だ。 急いで戻らないと。。 首を捻り ベッドボードの時計を見ると もう10時を過ぎている。 ああ。。。 流石にもう終わってる。。。 午後から飲み始めてるから 大概8時には ほぼ舎弟の皆さん全員が撃沈している筈で 片付けが終わり 引き上げるのが これくらいの時間だから 今更戻っても。。 直人はガックリと肩を落とした。 仕方ない。 明日 もう一度本家に出向いて礼を言おう。 仕事も 何処に行けばいいのか聞いてないし。 大学に入る前は 元兄貴の運転手をしていて 拠点としている本丸の事務所と ダミーの若い衆と 舎弟が待機する事務所を行ったり来たり。 この四年は 久保さんのいる事業の事務所に 行っていたし。。 まあ。多分 そこに行く事になるんだろうな。 まだ やりかけの仕事も残っている。 ふと見ると ベッドの足元に背中を預け 真司が腕を組み 寝ていた。 コイツが連れて帰ってくれたのか。 結局 なんだかんだと 迷惑をかけて。。 口を開け 馬鹿面で スピースピーと 鼻を鳴らしながら寝る兄弟の顔を覗き込む。 疲れてんだな。。 毎日 忙しそうだし。 本家見習いになって 元兄貴につくように なってからは 同じアパートの上下に住んでいても 姿を見かける事さえ 少なかった。 それに。。。
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