宴会

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正直 今日の宴会での真司の立ち回りには 心底驚いた。 何も言われなくても あれだけ機敏に動けるように なってるなんて。。 目端が効いていて ソツがない。 多分。 司さんのとこで学んだんだな。 その経験を最大限に活かしながら 元兄貴や高嶺兄貴の下 しっかりと日々成長してる。 見ていて 随分 先を行かれたな。。と思った。 ずっと横を並んで歩いていたのに。 向く方角も多分違う。 でも。 それは覚悟した事だった。 コイツはきっとどんどんのし上がる。 向上心が どこの誰とも違う。 人の気持ちがわかり 思いやれて。 だから 人を惹きつけるし。 上からも下からも好かれて慕われて。 こういうヤツが 絶対に組には必要で だから この若さで次期三代目付きなんだよな。 なるべくしてなってる。 贔屓目でも何でもない。 俺にはそんな器が無い。 それでも。 いつかコイツが上に登った時 影で支えられる人間になりたい。 口には死んでも出さないけど 本当はそう思っている。 久保さんには このまま 組から離れて 事業一本でもいいんじゃない?って言われたけど。 高嶺兄貴の様になりたい。 少しでも近づきたい。と首を横に振った。 その為に勉強させて貰ったんだし だから また一からでも 頑張らなきゃ。 ふう。と息を吐き出し 真司へと目を向ける。 寝顔は相変わらずバカっぽいけど。 真司のクセにって 言えなくなりそうだな。。 くすっと笑うと 真司は眉をひそめ 顔をしかめて ゆっくりと目を開き デカイ欠伸をしながら 寝ぼけ眼で 俺を見た。
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