宴会

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「・・おう。目 覚めたか。どうだ調子。」 目をこすりながらそう聞く真司に答えようと 口を開くが 喉がカラカラで声が思うように出ない。 ああ。水。。 ベッドから出ようとすると ほら。と ペットボトルを突き出される。 声にならない ありがとうを言い キャップを開けて ゴクゴクと一気に飲んだ。 はぁ。。生き返る。。。 ホッと息を吐くと 真司はニヤッと口を緩めた。 「・・何。」 その意味ありげな表情に ジロッと睨むと 真司は更にニヤニヤ口元を緩め 手を伸ばし 俺の目の下に冷たい手の甲をあてる。 「ずいぶん泣いたからなぁ。腫れてんぞ。」 空のペットボトルを取り上げられ 真司は立ち上がり この部屋と リビングとして使っている和室との間の襖を開けて リビングを横切りキッチンへと向かった。 ガサゴソと物音が聞こえ 真司の声がする。 「冷却シート無かったな。タオルでいーか。 ああ。まずこっちか。」 冷蔵庫を開ける音がして キッチンから 出てきた真司は ポンと水のペットボトルを投げる。 難なくキャッチし 布団を剥いで そのままベッドに座った。 「悪い。。」 「おう。お前 なんも食ってなかったみたいだな。 仁兄貴がそう言っててさ。」 「ああ。うん。流石に食べれないよ。あれじゃ。。 もう緊張し過ぎて なんだかよく覚えてないし。。」 余りに部相応な扱いに 戸惑った。 でも。すごく嬉しかったけど。。 「じゃあ 腹減ってんな。矢野さんのおにぎり 2つ持って帰ってきたから。銀次が取っておいて くれてよ。ああ。煮物も。食うか?」 そう言いながら またキッチンに戻っていく。 矢野さんのおにぎり。。 考えただけで グーツと腹の虫が鳴る音が 部屋中に響き渡った。 ひょこっと真司がキッチンの入口から 顔を出し ニヤッと笑う。 「腹が返事したのかよ。よっぽどだな。 ちょっと待ってろ。」 顔が引っ込み 流しの水が流れる音が聞こえてくる。 続けて コンロの火をつけているのか カチカチカチという音が聞こえた。 ペットボトルの蓋を開け 口をつける。 「スーツ。シワになるから着替えろよ。」 そう言われて ズボンを見ると既に手遅れっぽい。 あーあ。 一張羅なのに。。 まあ。いいや。 明日 クリーニング出しとこう。 立ち上がり ワイシャツとズボンを脱ぎ 部屋着に着替えると 真司が皿に乗ったおにぎりを ちゃぶ台の上に ドンと置いた。
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