夜空

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またニカッと笑い 「だから。直人くんが大幹部様になったらでいいよ。 それならホストクラブ奢るくらい 何でもないわよねぇ。楽しみだわ。 店のトップ2 両サイドに置いて ぐちゃぐちゃになるくらい 酒飲まして 床に転がして 上から見下ろしてやりたい。」 堪えきれないようにニヤニヤ口元を緩め 背筋が凍るくらいのSっ気満載で瞳を光らせ 既に意識はホストクラブに持ってかれてる。 思わず苦笑いが浮かんだ。 そんなの。 いつになる事やら。。 ヘタしたら一生無いかも。。 「あんまり期待しない方がいいですよ。 これは有難く頂きますけど。」 USBを握りしめて ペコリ頭を下げる。 胡桃さんがくれる物に不要な物なんかある筈無いし。 そう返すと 不思議そうな表情で じっと俺を探るように見た。 「・・何ですか。」 真っ裸にされたみたいな感じがするんだよな。。 胡桃さんは たまにこうやって人を見て 。。 首をひねりながら胡桃さんは口を開く。 「直人くんさぁ。」 「はい。」 「日本人って謙遜する事が美学だとか 思ってる風潮あるけどさ。 あたし。そんなのバカげてると思うんだよね。」 ん。何の話だろう。 急に明後日の方向に話が飛んだ気がして こっちが首を傾げたくなった。 気にも留めず 胡桃さんは話を続ける。 「あと 本気でそう思ってるのも頂けない。 自分の事 過小評価して これくらいしか 出来ませんなんてのは 甘えだ。甘え。」 ピシッと心情を言い当てられた。 ・・だから胡桃さんは怖い。 出来ません。とまでは思ってないけど 自分の行く末に楽観的じゃないのは性格。 どうせ これくらいしか出来ないとか だから出来る事をやろうとか。 そうやって 考えがちなのは昔から。 視野が狭いな。。と自分でも分かってる。 だから空回りして 兄貴たちにも 真司にも今まで色々と迷惑をかけた。 「ハッタリでも 胡桃さん。任せといてって 言っちゃうようにならなくちゃ。 口に出すと 人ってのは必死にそれに向かって 努力するもんだよ。 変に物分かりいい大人になんてなるんじゃない。 直人くんに 今 一番必要なのはそこじゃないかな。 何をやるんでもそう。 自信を持って 自分を信じて切り開く。 立派なモン ちゃんとついてんだろ。 男なら。極道なら そういう男になりな。」
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