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いかに目を離そうとしても、その攻めの激しさに、注目してしまう。立体ポルノ映画とでも言うか。それが、事実なのか、ただの三千子の妄想なのか、わからない。
確実なことは・・
それ以来、目が冴えて眠れなくなってしまったのだった。
「く・・・!」
それは、あまりにあからさまな”嫉妬”の心だった。サンボは三千子の正体が、還暦過ぎのおばあさんだと知っているのだ。若い娘との行為を求めるのが、男という生き物の本能。その理解が、しかし、今の三千子の心を、大いに苦しめているのである。
「仕事、なんて、嘘をついて、娘たちといちゃついて!」
そんな怒りの牙が、カリカリと三千子の心を攻め立てる。その怒りが、サンボの下の、張りのある肉体をした娘たちに向かう。あの娘たちが、顔を赤らめて、自分の感じるあの頂点を感じているのは間違いない。それを、”許せない”と考える三千子。
自分がこんな”醜い心”になるとは・・確かに、”自分もただの人間である以上、当然だ”という認識もあるが、その度合いが、これほどズブズブの熱い泥濘のようなものであろうとは、想像もしなかったのである。
自分は、もっと淡々とした人間であったはずだ。それが、あのサンボとの肉の交わりの結果・・引き出されてしまった。
”自分も、子宮で考える、女・・”
自分がこれまでの彼女を評して周囲が言うような”良妻賢母”などではないことは、三千子はわかっていた。
しかし、自己認識として、”でも、これほどひどいとは・・”
あの娘たちが、応分の”報い”つまり”罰”を受けることを望んでいる。それを言えば、むしろあの娘たちに欲情しているサンボを責められてしかるべきでもあろうに。サンボへの怒りと娘たちの怒りの”両睨み”だったのである。
”あんなことをしやがって、許せん!”のだ。
もっとひどい犯罪者はいくらでもいるのに、あの娘たちのしたことより重いことはない。そう思えてしまうのだ。
「あのバカどもめ、どうしてくれよう!」
そんな言葉が、無人の深夜のマンションの中に、こぼれでる。
「うぬ・・」
怒りで、三千子のヘソの下の子宮が固くなる。
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