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「しかし、金が主食ならばなおの事・・・何故菓子に手を出したのかね?
やはり虫だけに砂糖が好きなのか」
『あんなざりざりしたものは好かんでさ』
『がんっと頭に利く甘さ。痛い、痛い』
『でもフィナンシェなら食えるんでさ』
フクさんは首を傾げた。合わせて金食い虫達も首を傾げてみせる。多分人間の動作を真似ただけだろう。
しかし本当に見ているだけで足が痒くなるなぁ・・・とヤっさんはついに靴下の中に人差し指を突っ込んで、ぽりぽりと今朝蚊に噛まれたばかりの場所を掻いた。
『吸血鬼サンは知ってるでさ?アッシらにとってのフィナンシェは、吸血鬼サンにとっての薔薇なんでさ』
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