第八章 パンダ軍曹

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「真田君は……、いた! てか、誰? あの前にいるゴツイ人」  二人は、少し離れたボックスシートに向かい合って座っていた。 「ホントだ。熊みたいな人だ。きっと、熊田さんって言うんだよ」 「は? そんな偶然、あるわけないじゃん」  二人が近づいていくと、幸太がこちらに気付き、手を振った。 「悪いな、二人とも。来てくれて。今日は、会わせたい人がいて、呼んだんだ」 「どうも、半田惣一郎(はんだ・そういちろう)です」  半田と名乗ったゴツイ男は、その分厚い手を差し出した。すると、ドベ子は笑い出した。 「くぅーっ、熊じゃなくてパンダだったかぁ! こりゃ一本取られたわ! アハハハハ」  美佳は顔面が真っ青になった。
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