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「真田君は……、いた! てか、誰? あの前にいるゴツイ人」
二人は、少し離れたボックスシートに向かい合って座っていた。
「ホントだ。熊みたいな人だ。きっと、熊田さんって言うんだよ」
「は? そんな偶然、あるわけないじゃん」
二人が近づいていくと、幸太がこちらに気付き、手を振った。
「悪いな、二人とも。来てくれて。今日は、会わせたい人がいて、呼んだんだ」
「どうも、半田惣一郎(はんだ・そういちろう)です」
半田と名乗ったゴツイ男は、その分厚い手を差し出した。すると、ドベ子は笑い出した。
「くぅーっ、熊じゃなくてパンダだったかぁ! こりゃ一本取られたわ! アハハハハ」
美佳は顔面が真っ青になった。
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