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「ちょ、あんた! なに失礼なこと言ってるのよ! ごめんなさい、この子ちょっと世間慣れしてなくて。こっちが勾坂月姫、私は山崎美佳です」
無理やり、ドベ子に頭を下げさせた。パンダと呼ばれた半田は、怒ることなどなく、むしろ笑い出した。
「ハハハ、噂に聞いただけある。面白いお嬢さんだね。私は真田君のお父さんの後輩で、県警の捜査一課で刑事。あだ名は、お察しの通り『パンダ軍曹』です。よろしく」
ぶ厚い手と、名刺を差し出した。
「ゲゲッ。マジで刑事さんなんだ。ゴメンなさい、逮捕しないでください!」
美佳が頭を下げると、ドベ子は既にパンダの手をがっちり握っていた。
「スゲー、マジでパンダの手みたいだ。カフェでパンダと握手できるって、夢みたい!」
「いや、パンダはあだ名だよ……。真田君、思った以上の子だね、アハ、アハハハ」
ドベ子の「洗礼」に、パンダは多少、戸惑いを見せた。
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