第二章 ニオイ対決!

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「念のため、保健室に行きましょう。とりあえずみんな、自習しておいてね!」 亜里沙は軽いノリで、四十人のクラスメートに告げて、ドベ子を連れて保健室に向かった。少し足元がふらついてはいるが、意識が徐々に回復してきた。 「先生、私もう大丈夫! ちょっと目まいがしただけ」 「ダメよ。女の子は、体を大事にしなきゃ」 「え? いや、違うよ。先生の香水のニオイが、ちょっと」 「興奮しちゃった訳ね。ごめんなさいね、魅力的すぎるのも問題よね。フフフ」 「ち、ちがくて」 ドベ子は変なテンションの亜里沙に戸惑いながら、保健室に入って行った。 「少しベッドで休めば元に戻るわ」  亜里沙はドベ子をベッドに座らせると、不意に白衣を羽織った。 「え? 先生って、保健室の先生なの?」 「驚いたでしょ? 私は養護教員でもあるのよ。父が耳鼻科の医者で、その影響ね。父はニオイの研究していて、それで私もニオイに興味を持ったの」
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