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「スゲー! こんなエロい人のパパが医者! それで、保健の先生って、青嵐スゲー!」
ドベ子は、もろ手を挙げて驚いた。亜里沙は、顔を引きつらせている。
「エロいって、失礼ね。色っぽいって言ってほしいわ。ところであなた、嗅覚が良いのよね? どれぐらい良いのかしら?」
亜里沙は、唐突に尋ねた。ドベ子は首を傾げながらも、答えた。
「うーん、よく分かんないけど、人類で一番!」
亜里沙は眉間に深いシワを寄せ、ハァ、と言った。
「じ、人類で、一番って、どういうことかしら。私も、鼻には自信があるのよ。パフューマーの資格だって持ってるんだから」
どや顔で亜里沙が言ったが、ドベ子に難しい単語は分からない。
「え? ナニナニ? 『ぱふぉぱふぉ』って、何? なんか、エッチな響きがする!」
ドベ子は、両手を頬にやって、顔を赤らめた。亜里沙は目の下をピクつかせている。
「あ、あなた。パフューマーって単語知らないの? それでよく、この青嵐に……いえ、何でもないわ。要は、調香師ってことよ」
この時、亜里沙はドベ子が青嵐で断トツにアホな子だと言うことをまだ知らなかった。
「調教師? 先生、やっぱりドSなんだ!」
「もう、何を言ってるの! 調香師って言うのは、香りを作るスペシャリストのこと!」
ドベ子は、顔をほころばせた。
「へぇ、そうなんだ! 先生も、私と同じ能力を持ってるんだ! ねえ、比べっこしようよ、先生!」
目の前で、無邪気にアホっぽく笑う女子高生に、自分が負けるはずがないと、亜里沙は思った。
「な、何よ。この小学生のようなノリ……。でも、面白そうね。人類で一番っていう嗅覚。試してみたいわ」
圧倒的な力の差を見せつけ、名門青嵐の女教師としての力量を思い知らせるのもいい機会だと、亜里沙は思った。
キーン、コーン、カーン、コーン
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