第二章 ニオイ対決!

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放課後。  ドベ子と美佳は、桜舞い散る校門をゆっくりと歩み出た。 「はぁ、初日から色々あったわね……。あんたといると、ほんっと退屈しないわ」  美佳は、精いっぱいの嫌味を言ったつもりだった。だが、ドベ子はキョロキョロとあたりを見回していた。 「ねぇ、美佳ちゃん。幸太を待伏せしようよ!」  初日からストーカーをするつもりなのかと、美佳は思った。 「は!? あんた、マジで何言ってんの! これから毎日会えるクラスメートでしょ? いきなりトラブル起こさないでよ!」 「えーーっ! 早く幸太と仲良くしたい! だって幸太は、私がずっと探してた人だもん」 「そのさ、彼は確かにカッコいいし、あんたが一目惚れするのも分かるけど、ずっと探してた人ってのは、無理があるわ」  美佳はドベ子の額を、指先でチョンと小突いた。ドベ子は、にっこりと笑って答えた。 「ううん。幸太は、私がずっと探してた人だよ。十年前に死んじゃったドーベルマンの『ドベちゃん』の記憶と能力を私が引き継いでるの知ってるでしょ? ドベちゃんを優しく撫でてくれた人のニオイが、幸太からするのよ」
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