23人が本棚に入れています
本棚に追加
第三章 「ベースノート」を嗅ぎ分けろ!
翌日のホームルーム。亜里沙は、ニオイ対決についてクラスの全員に説明した。
「マジかよ。セクシー教師とニオイ女の対決……。面白そうだ!」
進学校に似合わないオールバック男子が叫んだ。
「進学校でも、こういうイベントは必要だよな」
一年五組の男子は、降って湧いたようなイベントに、盛り上がりを見せた。一方女子たちは冷ややかだった。
「私たち、勉強しに来たのに、何なの、この展開」
「あのドベ子って変な子のせいで、静かな雰囲気が台無しだわ」
迷惑とばかりに、冷ややかに噂しあった。
亜里沙は、幸太に「ニオイ対決」の最終問題の作成を依頼した。予想通り、幸太は最初、戸惑ったものの、
「分かりました。考えておきます」
とだけ短く答え、教科書を見続けていた。亜里沙は、珍しく真顔になって、この対決の趣旨を説明した。
最初のコメントを投稿しよう!