第三章 「ベースノート」を嗅ぎ分けろ!

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「先生。勾坂はまだ、参ったと言っていません。審判役は、私です。勾坂が降参するまで待ってください」 「そ、それもそうね」  亜里沙の眼が、あちこちに泳いでいた。  そしてついに、ドベ子が一本の試験紙を高らかに掲げた。七番の丸印の付いた小瓶の成分を付けたものだ。 「先生! ボトボトノートって、これです!」  亜里沙は、片手で目を覆ったまま、幸太に指示をした。 「さ、真田君……。正解の紙を見せてあげて……」  答えは、見るまでもなかった。  教室内は、歓声に包まれた。 「おおーっ! スゲー!」 「犬女が、エロ女に勝った!」 「さすが、野生のパワー!」  割れんばかりの拍手がドベ子に贈られた。
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