第三章 「ベースノート」を嗅ぎ分けろ!

12/19
前へ
/137ページ
次へ
「私の問題は、超簡単! 見て、この手羽先!」  弁当箱の中には、一本の手羽先が入っていた。  亜里沙は、顎が抜けたかと思うほど、口をあんぐりと開けた。 「はっ!? なに、これ?」 「私の大好きなこの手羽先、どこのお店のでしょーか!」  ドベ子が、ドヤ顔で亜里沙に弁当箱を突き出した。  どっ  クラス全員がズッコケた。そして、その直後に爆笑が起こった。 「超適当すぎる問題!」 「アハハハハ、スゲー! さすが犬女の考えることは違うわ」 「ニオイ対決じゃねーよ、こんなの……」  先ほどまでの賞賛の拍手が、あっという間に爆笑からの嘲笑に変わった。  美佳が、顔を真っ赤にして頭を抱えている。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加