23人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねえ先生。先生のパパの内臓が、幸太のパパのものだっていうことは、幸太のパパは死んじゃったってこと?」
「……そういうことに、なるわね」
亜里沙は、振り向きもせずに短く答えた。
「ヤダ! そんなのヤダ! 幸太が可哀そう!」
ドベ子の頬を涙が伝うと、巧は、呆れ顔をした。
「お前、今頃気付いたのかよ。相当ロックなヤツだな」
「三田村君こそ、今頃気付いたの? これが、ドベ子クオリティよ……」
赤信号で、ベンツが停まった。
「勾坂さんのことはさておき、このこと、真田君に知らせるべきなのか、どうなのか。迷うわ」
珍しく、亜里沙は教育者らしいことを言った。
最初のコメントを投稿しよう!