2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
真夜中なのに電話が鳴る
ある夜、私がうつらうつらと寝ていると、携帯電話の鳴る音がしました。
私は、ぼうーっとしながらを電話を手にしました。
「おめでとうございます。一泊二日のミステリーツアーが当たりました。くわしくは、メールをごらんください」
そう言って電話は切れました。
連絡のあったその日は、私の誕生日でした。
前々から主人と小学生の息子と二人だけで過ごし、私に自由な時間をプレゼントしてくれる約束の日でした。
「久しぶりに、ひとりでゆっくりしておいで」
「ママ。ぼくパパのお手伝いする」
私は家族の後押しがあったので、思いきってその旅行に参加することにしました。
指定された集合場所には、私と同じ年齢位の女性ばかりが集まってきました。
バスは、ゆっくりと発車しました。
久しぶりの一人旅に、私はついつい気がぬけて寝てしまいました。
バスが止まると同時に、私は目がさめました。
大きな湖のほとりに、バスが止まっていました。
湖の中央には島があり、そこにはまるでおとぎ話にでも出てきそうなお城が、夕日の色にそまってあざやかな色を放って立っていました。
最初のコメントを投稿しよう!