真夜中なのに電話が鳴る

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真夜中なのに電話が鳴る

ある夜、私がうつらうつらと寝ていると、携帯電話の鳴る音がしました。 私は、ぼうーっとしながらを電話を手にしました。 「おめでとうございます。一泊二日のミステリーツアーが当たりました。くわしくは、メールをごらんください」 そう言って電話は切れました。 連絡のあったその日は、私の誕生日でした。 前々から主人と小学生の息子と二人だけで過ごし、私に自由な時間をプレゼントしてくれる約束の日でした。 「久しぶりに、ひとりでゆっくりしておいで」 「ママ。ぼくパパのお手伝いする」 私は家族の後押しがあったので、思いきってその旅行に参加することにしました。  指定された集合場所には、私と同じ年齢位の女性ばかりが集まってきました。 バスは、ゆっくりと発車しました。 久しぶりの一人旅に、私はついつい気がぬけて寝てしまいました。 バスが止まると同時に、私は目がさめました。 大きな湖のほとりに、バスが止まっていました。 湖の中央には島があり、そこにはまるでおとぎ話にでも出てきそうなお城が、夕日の色にそまってあざやかな色を放って立っていました。
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