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エアの技術は軽くなければ使えない。地の引き付ける力から解き放たれなければ使えない。だが地と離れているために、地よりも確かであらねばならない。鳥ですら、蝶ですら地にとどまらずにはいられない。だが彼らは飛ぶことができる。
鳥や蝶とは違い、人は飛ぶことができない。彼らがあたりまえにやっていることをするには、地を離れていても墜ちないようにしなければならない。いつかは地に降りるが、それは一時的なこと。またすぐに飛び立てばよい。鳥も蝶も同じこと。彼らがするようにせねばならない。
エンキ翁は根っからの地のものであり、彼自身はエアの技術を使えない。足が弱り、地にもう一本の足を付けねば――つまり杖をつかねば、歩くことすらままならない。
アンナだけが、エアの技術を完璧に扱えた。彼は人でありながら、鳥のように身軽に、蝶のように優雅にあることができた。そこにエアの技術で羽を付ければ、彼は中空を鳥のように飛ぶことができた。
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