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「ま、今日は思う存分怒ったったらええねん、まだ愚痴あったらいくらでも聞くで!」
届いたレモンチューハイでまた乾杯をしながら、真衣が笑いかける。
ありがとう、と笑いながら一緒に届いた唐揚げをつつく。
とった唐揚げが、偶然大きいものと、小さいもの二つがくっついているのを見て、奈津子はふと、もう一つの、怒りポイントを思い出した。
「そういえばさ、『後輩に頼まれて連れて行った』って免罪符みたいに言うことも気になったんやけど・・・後輩がなんなん?って思ったのって器小さいかな?」
呼び出しボタンを押していた、真衣のアイラインが再びピクリと動いた。
「いや、それめっちゃわかる」
真衣は注文をした後、レモンチューハイの残りを煽ってから話始めた。
「私もこないだ、彼氏とデートしてる時に『後輩のためにセッティングした飲み会で、女の子に言い寄られてさー』ってその女とのトーク画面見せれてんけど、そう言えばそのデート途中で帰ったわ。」
「それ聞いてない。いつの話」
「先週あたま。ちなみにまだちょっと解決していません。」
「・・・・詳しく聞かせて」
「もう一軒行こうか」
届いたトマトチューハイを無言で空にして、店を出たところまでは覚えている。
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