どうしますか?

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─ ─ ─ ─ ─ お母さんへ お久しぶりです。足の具合はどうですか? お父さんから『くじいただけだ』と聞いたけど、すごく心配です。 お願いだから無茶だけはしないでね。 私もしばらくそちらには帰れそうにないので早く良くなる事を祈っています。 私が結婚して、福岡に引っ越して2年が経ちました。 2年間こちらでは色々な事がありました。 福岡の新生活が落ち着いてから転職をし、デザイン会社で事務員として働き始めました。 今は仕事をお休みする事になってしまったけど、落ち着いたらまた復帰したいと思っています。 そして結婚して1年後に、ささやかだけど結婚式を挙げる事もできました。 私はお金も掛かるし無理しなくていいと言ったけど、彼はどうしても私にドレスを着せてあげたいんだと言っていました。 小さな結婚式だったけど、すごく幸せな一日でした。 結婚式をしてよかったと今は思っています。 あの日、お父さんもお母さんも泣いていたよね。 気付かないふりをしていたけど、私はちゃんと見てたよ。 ねぇお母さん。 私はずっとお母さんが教えてくれた言葉を信じて生きてきました。 『困っている人がいたら助けなさい』 『親切はいつか必ず返ってくるから』 私は大人になるまでずっとこの言葉を信じていました。 でもこの言葉は私にとって呪縛でもあり、そのせいで辛い思いをする事もありました。 大人になって親切は返ってこないと痛感する事が何度もありました。 悪い事をすれば仕返しをされるのに、正しい事をしても恩返しされないのはなんでなんだろうとずっと不思議に思っていました。 保さんと出会った時もそうでした。 私は困っている彼を助けたのに、仕返しの様に彼に無茶なお願い事をされて、彼に振り回される日々を送っていました。 本当はね、私は最初、保さんの事なんて全然好きじゃなかったんだ。 恩を仇で返す最低な人だって思っていました。 でも彼は私が一番苦しんでいた時に私を救ってくれました。 それが彼の最初の恩返しでした。 それから彼は私にひたすら恩返しをしてくれるようになりました。 貰い過ぎてしまった優しさは、私も優しさで返すよう努力しました。 おかげで私達は優しさを送り合い、返し合える素敵な関係を築く事ができました。 全部、お母さんの教えがあったからです。 お母さん。私に大切な事を教えてくれてありがとう。 お母さんの教えが無かったら、私は保さんと出会えなかったし、保さんと結婚する事はなかったと思います。 お母さんが教えてくれた『親切はいつか必ず返ってくるから』を、私も家族に伝えて行こうと決めています。 そして私も人に優しくできる人間であり続けたいです。 人から受けた温かい親切を返していける人間であり続けたいです。 怪我が治ったら、是非また福岡に遊びに来てください。 家族3人で、待っています。 お母さんの怪我が早く治りますように。 遠野 莉音 
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