22 風と氷の輪舞曲

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22 風と氷の輪舞曲

―海水浴場― 『マスターの指示に逆らい、果てには人間の味方についた…そんなあなたの後始末なんです、文句は言えませんよ!』 「うっ…くっ…私は…こんなところじゃ負けられない!」 「負けられないなら、いっそのことオレに代われよ!」 海水浴場に広がったフィールドに新太が入ってきた。しかも、最初からコスチューム姿になっていた。 『来ましたか…マスターを撃破し、最近少しずつ名を上げてきている連中のエースが。』 「へぇ、オレってアンタらの中じゃちょっとした有名人ってか?じゃ、誉められた礼を返してやるとしますかぁ!」 新太はその場で倒れている二菜から銃を取り上げ、そのまま剣を引き抜いた。 「新太、何するつもり?」 「へへっ、二菜も驚く最っっ高にクレイジーなヤツを見せてやるから、離れて見ててよ。」 『ハッ、そんな正反対な装備で俺らに敵うとでも?』 『クランブスの言う通りですよ。第一、そんなカッコつけで勝てる相手じゃないと分かっているでしょ?』 「お前らホント…分かってなさすぎなんだよぉ!」 新太はいきなり銃を乱射しまくり、周りの雑魚敵を一気に蹴散らした。 「な?言っただろ、オレはこういうのがやりたくてウズウズしてたんだよねぇ!安心して、一頻り暴れたら退散してやるからさぁ!始めようぜ、クレイジー極まりないゲームをさぁ!」 新太は目にも止まらぬ早さで駆け出し、それに合わせて銃を撃ち、周り一帯に小さな氷柱を発生させた。 『くっ…この俺をバカにしてぇ!』 『このシュリンプスの力、侮ってもらっては困る!』 「ごちゃごちゃうるさいヤツらだなぁ…」 やがて、新太の周りを含め、フィールドバリアが張られている圏内全てが小氷柱で埋め尽くされ、まるで氷の剣山のようになった。 『これは…何を考えているのだ、お前は!』 『こっちに攻撃してこねぇとか、テメェさてはチキンだな、オイ!』 新太はシュリンプスとクランブスの愚痴など聞く耳ひとつたてることなく銃を撃ち続けた。
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