22 風と氷の輪舞曲

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『いい加減にしろやぁ!』 『小汚ない真似はよせ!』 「っくくくく…アーッハハハハハハ!いい気味じゃんか!そうやってムキになって、周りが見えてないなんてさ!」 この時、フィールド一帯はどこをどう見ても剣山になっていた。もちろんこれは新太の作戦のひとつにすぎなかった。 『なっ…け、剣山だとっ!いつの間にこんなことを!』 「アンタらが怒りっぽい性格ってことと、何かに気を取られたら取られっぱなしってとこをついたオレのクレイジートラップさ!」 『なぜ我らがそのような性質を持つなどと分かったのだ!お前、チーターか?』 「いや、チーターじゃないさ。アンタらはたぶん、スカルクとか言うヤツの差し金かなんかだろ?〈子は親に似る〉って言葉、知ってる?」 『小汚ないだけでなく、頭のキレまでこの様か…そんなヤツがなぜ我らに味方しない!』 「オレはこのゲームをなめてたさ…だからこそ、変えたんだよ…プレイスタイルをなぁ!クレイジーな中に英知ありってヤツよ。」 『このぉ…くそったれがァァァァ!』 『クランブス、無闇に突っ込むな!』 「脳筋は黙って頭冷やせよ…はぁぁっ!」 新太はすれ違い様にクランブスの脇腹を一閃し、そのまま一撃で致命傷を与えた。 『なんてことしてくれたんだぁぁ!血が…血が止まんねぇじゃねえかよぉ!』 「そんなこと知るかよ…お前らが2対1でオレの大切な親友を傷つけたんだ…その分の返しはしっかり受けてもらうぞ、この蟹野郎!」 〈フリーズ・エンド〉 新太は銃を倒れているクランブスのコアに突き付け、そのままゼロ距離射撃を実行した。当然、全弾命中でクランブスは氷付けとなった後、木端微塵に砕け散った。 『クランブス…ならば…うぉぉぉぉっ!』 シュリンプスの剣は新太の剣にあっさりと止められた。 『なっ…なぜ我の攻撃まで?』 「オレの仲間は人間だけじゃないんだよ…だから、お前がどんな攻撃を仕掛けてくるのかシミュレーションするくらい、造作でもないってことだよ!」
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