22 風と氷の輪舞曲

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…正直、この技を使うこと自体が初めてだ。うまく決まる可能性はゼロだし、失敗すればオレは殺人罪に問われるかもしれない。それでも…助けられるヤツがそこにいるなら…0.1の確率であろうと足掻いてやるさ! 『その構え…お前のようなプレイヤーに使いこなせるわけがないだろ?失敗すればお前はペナルティを食らうぞ?』 「一か八か…オレは叛斗を信じる!だから、歯ぁ食いしばれぇ…叛斗ぉぉぉ!」 新太はそのまま赤いエネルギーを纏わせた剣でスカルクの左胸を突いた。しかし、貫通はしなかった。 『グッハハハハハハ!失敗してんじゃねぇか!…ん、何?何かが…ぐっ…』 スカルクは左胸を強く押さえて膝を突いた。これこそが新太の一か八かの賭けの正体だった。 「新太…そこにいるのはお前か?」 『なっ…何故だ…確かに黙らせたはずの人間が…どうなっているというんだ!』 叛斗は新太の一撃をまともに受けたことと身体に強い痛みが走ったことで一時的に意識が戻った。 「バッキバキに目が覚めたぜ、サンキューだぜ、新太!」 『かっ、体が動かん…おのれ、新太…貴様ぁぁ!』 「ゲームキャラのクセに」 「裏技知らないなんて」 「「ゲームのボスキャラ失格なんだよ!」」 『このぉ…引っ込めぇぇぇぇ、これはオレの』 「オレの中から…出てけぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 叛斗は今ある意識の全てを使って、スカルクのウィルスを体から追い出した。 『ぐぬぅぅ…人間のクセに…オレが力を与えてやったことの恩も知らずにぃ!』 「…確かにアンタには感謝してるよ、スカルク。だけどやっぱり…人間が学ぶ生き物であるなら、自分の力は自分で育てるよ。」 叛斗はそのまま元の青い海賊マントを羽織ったコスチューム姿に変化した。 「へへっ、今度こそ叛斗様の本当の力ってやつを見せてやるぜ!」 ~予告~ ついに、臨海の東西最強コンビが爆誕! 本性を表したスカルクを討ち、今度こそ林間学校を成功させろ、新太! 次回〈東西のクレイジーパイレーツ〉
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