23 東西のクレイジーパイレーツ

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「…相性悪いな、新太。どうする?このままやり合ったって勝ち目は限りなくなさそうだぜ?」 「何か策があるはずだ…アイツはお前から海賊のイメージを読み取ってあの姿になった。その仮説が正しいなら、雷の技が効くはず!」 「……電撃を伴う攻撃なら出来なくはない。けど、反動デカいし効率が悪いぞ。」 「それでも今はやるしかないだろ!チャージとかがいるならオレが気を引き付けるから…このまま林間学校ぶち壊されてたまるか!」 「……2分間、頼むぜ。」「了解っ!」 叛斗は電磁誘導砲(レールガン)のスキルを少し前にとっていた。このスキルは射撃武装に電磁属性を付加するが、そもそもその属性自体が扱いが難しく、下手すれば腕が不随に陥る可能性もあった。 『1対1だと?ここに来て勝負を捨てるとは…残念だなぁ。』 ガギィィィン 「いいから黙ってオレの相手だけしてろ!とにかく今は叛斗に手出しさせやしないぜ!」 新太の反応速度はこの街のどのプレイヤーよりも速く、武器や装備との相性や補正が加わることでより加速できるようになっていた。 しかし、あまり反応速度が速すぎると脳と足にかかる負担が大きくなりすぎて自滅以上のダメージを受けることがある。 それでも新太は叛斗のために今自分ができる全てを乗せて、時間を稼いだ。 「新太、行けるぞ!死にたくなけりゃぁそこどけ!」 叛斗は本来は片手持ちができる銃を両手で持ち、両足を開いて腰を落として踏ん張っていた。 『…何のマネだ?』 「行かせないって言ったろ!」 新太は叛斗からの警告があったにも関わらず、ギリギリまでスカルクを攻撃した。 「…撃て、叛斗ぉ!オレに構わずガツンとデカいのぶちかませ!」 「……わかった。天国で恨むんじゃないぞ、新太!」 『その構え…まさか!』 「フィールドごといっちまえよ!」 叛斗は引き金をひいた。次の瞬間、鼓膜が引き裂かれそうな音が鳴ったと同時に、一瞬で地面が大きく抉れて大爆発を起こした。 引き金をひいた叛斗本人は大きく吹き飛び転がった。
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