23 東西のクレイジーパイレーツ

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ギリギリまでスカルクに接触していた新太は、どういうわけか無事だった。 『…オレの体が……こうも簡単に崩れるだと?あり得ん!』 「あり得ちゃうからゲームなんだよ、これは。」 スカルクは叛斗の一撃で満身創痍の状態になったものの、まだまだ動けそうな感じだった。 「叛斗が頑張ってくれたんだ………オレがやらないでどうする!」 新太はポケットの中からクリメアにもらった赤、青、緑の石を取り出した。するとその石は光を放ちながらメモリースティックに変化した。 「……は?何これ?さっきもらった石からなんでこんなものが生まれたんだよ!」 まさかの展開に新太は思わず驚いた。しかしすぐにそれが何なのか察した。 『……おのれ、小僧ォォォォ!』 新太は持っていたメモリースティックをライブウォッチに差し込んだ。すると、ライブウォッチの画面に二等辺三角形の形をしたアイコンが浮かび上がった。 「差し込めそうだから差したけど…これ何?押せばいいやつなのか?」 『ゴタゴタしてるんじゃねぇぇぇ!』 「善は急げだこんちくしょー!」 新太はやけくそになってそのアイコンをタッチした。次の瞬間、新太の周りに白鳥座、わし座、こと座の形のエフェクトが出現した。 「えぇぇっ、ちょちょ…何なんだこれ?」 やがてその三つのエフェクトは二等辺三角形になり、クルクル回転しながら遊真の体に取り込まれた。 すると新太の着ていたコートははたちまち赤、青、緑の三色に光りながらその形を変化させた。 画面には〈コート・サマーデルタズ〉と表示されていた。これは元々夏の公式イベントミッションをクリアしたときにもらえるものだった。 「なんかもうよく分かんないけど、パワーアップしたなら全部よしだ!うぉぉぉぉぉっ!」 …全然よしなんて思ってないけどね! 『着てるコートの形が変わったところでオレに敵うとでも?』 「初見のゲームほどワクワクしてクレイジーなことってないだろ?」
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