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―その後、キャンプファイア―
…こんなにバテるくらいに戦うんじゃなかった。しかも、『男女が結ばれる』とかバカらしいジンクスがあるって聞いて余計なえるんだけど……
「いい様じゃねぇか新太、アハハハハハ!腹痛てぇ…アハッ、ゲホッゲホッ」
新太は先のバトルで限界値ギリギリまでスピードを上げたせいで体が熱くなりすぎて体が動かなくなっていた。夜の潮風で体を冷やしてはいるが、正直効き目はなさそうな様子だった。
「………」
「一ノ瀬君が好きなんでしょ?だったら、アプローチしなよ、にーな。」
三樹はさっきから具合の悪い新太を見てはもじもじしている二菜を気遣ってあげた。
「……反対の海岸は涼しいよ。新太をそこに連れていきたい…元気になってほしいから。」
「わかったよ。」
―みんながいる方と逆の海岸―
「………!?にににににににににに二菜ぁ!?なんでここに?ってか、どこだよここ!」
「あっ…慌てすぎだよ…新太。ここなら新太の体もほどほどに冷えるかなって思ったの。」
…なるほど、今日の二菜には悪意はまったくないようだな。←本人前にして失礼な男の鑑
「キャンプファイア、よかったのか?すごい楽しみだって言ってたのに。」
「……それは」
言わなきゃ…伝えなきゃ…私の気持ち…キャンプファイアとか林間学校がどうとかよりも、大事なことだから!
「………あっ、新太が好きだから!」
二菜の一言に合わせるかのように、反対の海岸でキャンプファイア名物の打ち上げ花火があがった。
「……あれ?新太?どうしたの、何か言ってよ。」
新太は冷めきった体の熱が再び戻ってしまい、めまいに襲われた。
「…………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
オレは人生で最初で最後の大咆哮をしたのち、ぶっ倒れてコテージ送りになった。こんな感じでオレの林間学校は終わりを告げましたとさ。
~予告~
前半もいよいよ次がラスト!って、最後に総集編やるのかよ!
次回〈ひとつの答え、もうひとつの始まり〉
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