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「久々だな、蓮。」
「りゅ、龍平じゃねぇか…こんな時間にどうしたっていうんだ?勝負ならお断りだぞ?」
「勝負の申し出ではない!お前に一つ、忠告しに来た。驚かず最後まで聞いてほしい。」
竜平は真剣な面持ちで蓮を見つめ、こう言った。
「マスターは現在、全10体のレイドプレイヤーを用意している。だが、02や03、04は既にお前たちが倒しただろう。そこでコイツをやる。」
竜平は蓮に三つのメモリーを渡した。そこに描かれていたのは二菜が得意とするシューティングゲームのイラスト、03のレーシングゲーム、04のロールプレイングゲームのイラストだった。
「これは一体何なんだ?特撮でよくありがちなパワーアップアイテムの類か?」
「まぁそうなるな。これは〈戦士の記憶〉だ。本来ならば勝利後に手に入るものだが、蓮たちには特例措置としてこうさせてもらった。」
「こんなもん俺らに与えちゃっていいわけ?仮にも俺たちは敵対者の関係だ。」
「無論、このようなことはしたくなかった。だが、今回は頼みの件に関わるという名義でこのようにお前たちを助力する形になった。」
「ご丁寧な説明どうも。二菜や03がそうだってことは…お前のもあるってことでいいのか?」
「…ふん、察しがいいな。俺のもあるが、お前に簡単に渡してやるわけにはいかん。」
蓮はとりあえずもらった三つのメモリーをポケットにしまった。
「もうすぐマスターがこの計画を始めるだろう。」
竜平は自分のライブウォッチに記録されている映像を蓮に見せた。
蓮が見たのはマスター・氷上神矢が考え出した計画〈プロジェクト・AR RISE〉というとてもこの街のためにならない計画の全容だった。
「なんだよこれ、この街のことこれっぽっちも考えてねぇだろ!」
「やはり、そう答えると思ったぞ。だが、水面下で進んでいた以上、俺たちには黙秘だったんだ。そこで一つ、提案だ。」
「言ってみろ、反論はしないぜ。」
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