24(終) ひとつの答え、もうひとつの始まり

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―地下研究室跡― 「新太くんたちが林間学校から帰ってきたらしい…そろそろ例の計画を始めよう。」 『03と04、それに02は帰ってこないんだぞ!何考えてんだよ!』 黒い体に金色の差し色が入った服を着ている少年…08はマスターの軽い物言いに腹をたてた。 『落ち着け、08…俺も正直悔しさは隠せん。だが、いつまでもそれに囚われていいと思うか?少なくとも俺は…帰ってこなくとも俺たちの仲間であった事実だけを覚えていればいい。違うか?』 10…竜平は蓮と度重なる交流の中で切り捨てるべきこととそうじゃないことの線引きの大切さを知ったため、このようなことが言えた。 『…10、だいぶ人間世界にとけ込んでるんだね。オレも早くゲームしたいのになぁ。』 『………』 『まぁ待て01…よく言うだろ?準備運動と体力温存は本領発揮の前準備だって。』 10は毎日退屈していると分かっていながら、01を自由にしてやれないことに心を痛めていた。 しかし、09はそんな01に対してスポーツに例えた励ましの言葉を送り、気を紛らせた。 「とにかく、06~10までの五人が頼りだ。君たちの善戦に期待するよ。」 マスターは修理したてのライブギアを持ってどこかへ出かけていった。 『10…これから何が起こるの?私、敵キャラになっちゃうの?』 五人の中では最年少の07はこれから起こることに対する不安を10に打ち明けた。 『…心配は不要だ。お前は普通のゲームキャラとして人間たちと仲良くしてやれ…俺の代わりにな。』 10はレイドプレイヤーの頂点に当たる存在ではあるが、一番情に厚いが故、責任感に潰されかけていた。 ―放課後、屋上― 蓮はひとまずチームメンバーとクリメアを集めて、10…竜平から告げられた真実の全てを話すことにした。 「三樹…大会近いのに呼びつけて悪かった。できるだけ手短に話すようにはするが、長話になるのも事実だ。心して聞いてくれよ…みんな!」 「「「うん!」」」『わかった!』
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