20 逆襲と共闘

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―コテージ・大食堂― 「蓮、朝早くからどこ行ってたんだよ!まさか、山の奥で散歩してたのか?」 「まぁ、大体そんなとこだ。それより…今日って確か、最終日だよな?」 「そうだね…西区の子たちと交流もかねて海に行くんだってさ。オレ結局あんまり泳げるようにはならなかったけど。」 「…蓮くんは泳げるの?」 「まぁ、基本的なあれはできるけど…クロールとかそういうのはゴメンだな。てか、海か…ヘヘヘヘ」 蓮はこのとき心の中で新太を砂の山の中にぶちこんでその様子を写真におさめてやろうと企んでいたが、思わず笑みがこぼれていたので三樹にバレた。 「昨日は見直したのにすぐそうやって…」 「いたずらすることの一つや二つくらいいいじゃねぇか!せっかくの林間学校だぜ!」 「あ、ははは…」 「どっちも面倒なことしないでね。」 「「はい。」」 ―バス内― 「ねぇ、蓮くん、昨日はあれから寝れた?」 「多少はな。さすがに熱出た状態で布団は風邪長引くかもしれないとはいえ、布団蹴飛ばしたくなるよ…」 …この時、オレ・一ノ瀬新太は思った。〈二人ってこんなに仲良かったっけ?〉と。それくらいあの二人が会話してることが不思議なんだけど! 「新太、西区の女子に気をとられないようにね。」 「わっ、分かってるって!急にどうしてそんなこと言うんだよ、二菜!」 「フフ…女の気まぐれってヤツ。」 二菜は二菜でおかしいよ!どうしちまったんだぁ!やっぱりオレがおかしいよな!オレだけがおかしいんだよな!これだから夏は嫌いなんだぁぁぁ! 新太だけがもやもやした気持ちをしょったまま、バスは西区の海水浴場付近の駐車場に着いた。 ―海水浴場付近の広場― 「これから他校のヤツと水泳対決できると思うと…心が燃えてくるじゃねえか!」 「もう…蓮くんってば。一番の目的は交流だよ?」 「勝負も交流のうちってことで!早速着替えてタイマン張らせてもらおうかぁ!」 蓮はどういうわけかおかしなテンションのまま更衣室へ駆け込んでいった。
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