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23 東西のクレイジーパイレーツ
スカルクは白骨化した海賊のような姿になった。
「いかにもボスお出ましって顔してるなぁ!」
「叛斗から出ていった以上、手加減する理由はない、行くぞ叛斗!」
叛斗と新太は武器を持ち、スカルクに向かってまっすぐ走り出した。
『小僧が二体揃おうが無駄だぁ!オレは今完全体だぁ!叶うわけねぇだろぉ!』
スカルクの赤い衝撃波は新太たちを軽々と吹き飛ばし、地に叩きつけた。
「やってくれるじゃねぇかよ!新太、遅れ取るなよ!」
「そっちこそ、オレのスピードはマジでクレイジーだからな!」
新太も叛斗もスカルクの攻撃をものともせずに再び攻撃するために接近した。
『完全体のオレに…小僧の刃が届くわけねぇだろぉ!』
〈デプスブレイク〉
ダークテイストな電子音の後、真っ黒な波が発生し、新太たちを包み込んでシャボン玉みたいに一気に弾けた。
新太も叛斗もここに来て体力ゲージがイエローゾーンに入ってしまったことによるセーフティー機能で動きに制約がかかった。
『やはり派手に動くなら人型であるべきだなぁ!だがオレはまだ足りない…ずっとオレをウイルス呼ばわりした野郎共に一泡吹かせなきゃ気が済まねぇのさ!』
「……人をさんざん利用しといて、望みが叶ったのにまだ何か欲するってか!傲慢すぎるにもほどがある!お前はオレたち共通の敵だ!何がなんでも倒す!」
「新太の言う通りだ…力を欲して堕ちたから分かる…力を欲して、扱いきれないから暴走したって責任を取らないのは…間違ってる!一度てにした力の後始末は手にした人が責任を取るべきだ!」
新太も叛斗も激昂して立ち上がり、どうにかスカルクに決定打を与えんと奮戦した。
しかし、スカルクはそもそもウイルス体だったことが何よりの戦力差の証だった。
完全体といえど、所詮ウイルスである以上は攻撃の通りさえも最悪だった。そのため二人はしばらく同じ流れを繰り返した。
『どんだけ強かろうが根が弱ければ意味をなさんだろ?』
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