私はあなたの亡者となる

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「俺のこと、愛してるか?」  柴崎は私の上に被さり、激しく私に愛を注ぐ。汗がお互いの肌をつなぎ、ねばり着く生々しい音がホテルの一室に響く。 「愛してる──」  その言葉に刺激されたように柴崎はその運動を強くし、その度に脳に快楽が突き刺さった。 「結局は金が目当てか?」 「──違う」  収入が途絶えたタケルとの生活を維持するためにはお金が必要だった。普通のOLとして勤務する私の収入だけじゃ、到底タケルを守っていくことなんてできない。悩んだ末に出した答えが柴崎だった。 「もう一度、言ってみろ? 俺のこと、愛してるか?」 「愛してます──」  ごめんね、タケル。心の中で何度も呟いた。それは呪文のように脳内でリフレインし、私の思考を支配した。  タケルを守るという恋人役を演じる裏側には、ドロドロと汚れた私がいる。罪悪感を焼き払うためには、柴崎が与えてくれる快楽に溺れるしかなかった。
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