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「高校からの友達が、井下と友達でさ。井下が最近、元気ないから彼氏と何かあったんじゃないかって心配してたんだ。俺はそのうち本人から相談するだろうって言ったんだけど、そいつ、どうしても気になるみたいで、念のため司に何かあったか聞いてみてくれって頼まれたわけさ。まあ、俺が井下が泣いてるのを見たって、うっかり言っちゃったのも悪かったんだけど。俺って、遠まわしに聞くの苦手だから、ああいう聞き方したんだ。悪かったな」 「そうなんだ」 「でも司から聞いたことは言ってねぇから。聞かれても言うつもりないし」 「ありがとう」 「で、どうなの? 本当に別れたの?」 「まだ……みたい」 「みたいってなんだよ」 「別れるつもりはないって言われた。俺は正直、もう元通りにはならないと思うんだけど」 「よっぽど好きなんだなぁ、司が」 「なんでそんなに好きになってくれるのか分からない」 「司は? 井下のこと、もう好きじゃないの?」 「好きだけど、お前に言われた通り、他に好きな人が出来ちゃったんだから、一緒にいられないだろ」 「両方、付き合うのは無理なの?」 「どっちにも悪いじゃないか。正直、そういう時期もあったけど、無理だった」 「だから長年付き合った彼女と別れるのか。好きなのに。ってことは、よっぽどその相手が好きなんだな。お前も」 「……」
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