不思議な出会い

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不思議な出会い

ある日見つけた、小さな本屋。 細い道に入って、何度も何度も曲がったところにあるその本屋は、はっきり言ってボロくて、汚そうだった。 細い道を歩いて探検することが大好きな僕は。高校の授業が終わるといつも探検をしていた。いつも通り探検していると、その本屋を見つけたのだ。 本が別に好きってわけでもないし、どちらかというと外で遊ぶ方が好きだけど、なんだかこの本屋に入ってみたいと思った。 中は、見かけどうりのボロさ。本もホコリをかぶっていたりする。 客は僕以外いないみたいだ。 奥の方まで行ってみると。長い髭を生えていて、髪が長くて、小さい老人がいた。多分男の人。とても気味が悪い。 そんな老人はさて置き、本屋を探索した。 どれも古い本ばかりだけど、なぜか読んでみたいと思った。 でも、もう日が暮れそうだったので、その日は帰ることにした。 それから毎日、その本屋に通い、一日一冊ずつ読んでいくことにした。 本はどれも面白く、僕の好みだった。 でも、買いたいと老人にいうと 「ダメだ。お前にふさわしい本ではない」 と言われて買わせてくれないのだ。 だから毎日一冊ずつ読んでいるんだ。 老人は勝手に呼んでも文句は言わない。 それが当然のように僕を見ていた。 ここが本屋と言えるのかもよくわからない。 そんなある日。 いつもどう読もうと、一冊の本を手に取り開くと、 急に本が光り出し、僕を本の中に引きずり込んだ。 「やっと見つかったか」 そう言った老人の声が聞こえた気がした。 この時僕は、この本との出会いが、僕の人生を変えるなんて考えもしなかった。
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