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曖昧というにはあまりにも曖昧な言い訳。しかし、これ以上答える事が出来なかった修市には、それが限界だった。多少疑われるのは仕方がない。答えたくても答えられない質問もある。
その答えに、クロはふぅんと目を細め、何を思ったのか犬の姿から人の姿へと変化する。そして、その行動の意味を理解できずにいた修市にスッと近付いたと思うと、そのまま修市の腕を掴んだ。
「クロさん、何を……」
「気にするな」
突然の事に驚く修市を余所に、クロは素っ気なく答える。暫し、修市の手をまじまじと見つめたかと思うと、今度は何を思ったのか、自身の頬に手を寄せ、そのまま頬擦りするような形で修市の手を自身の頬に触れさせた
。
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