知らない天井だ

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お腹のタプンタプンが少し落ち着いた頃、1階から乱暴に扉を開ける音とともに横柄さが前面に出ている声が聞こえてきた。 「誰か!誰かおらんのか!!」 「…え。誰」 「この声は…昨日犯罪奴隷を大量購入された方かと」 なにそれー!まさかクレーム!?リアルの仕事でお腹いっぱいよ!? 怪我を治したことで少し落ち着いてきた子達がまた震え始めた。 「アルトたん、この子達お願い。絶対に出てきちゃダメだよ。皆も静かにねっ、シーッだよ」 頷くアルトたんに目で返事をし、上へと向かう。すでにゲロゲロしそうだけど、ちびっこ達は守らないとね! 仮面をつけるんだ。何のためにCSの仕事をしていたんだ。…少なくとも奴隷商になるためではないけど!あと、物理的に仮面ついてた。 あー!雑念が! 僕はレオニール。僕はレオニール…。 そう!私はレオニール!! 「いかがなされましたか、尊き黄金の君!」 「んむ?…ムフン。今日は新しいおもちゃでも買おうと思ってな」 金髪だから黄金、ではなく、頭頂部がピカピカだからだよ☆でもこのオッサンは気分を良くしたのか、よりニチャニチャした笑い方をしている。ゲロゲログワッグワッ! ここはおもちゃ屋さんではないですー。とっとお引き取りあさばせ! 「嗚呼っ…なんたること。こんな時に商品が手元にないなんて。あなた様のお気を紛らわせることもできぬとは…このレオニール、一生の不覚!!」 ヨヨヨー!と、ふらつく。 「なんだ珍しいな。契約奴隷もおらんのか」 オッサンに売る子は1人もいないよ! 「ちょうど今から仕入れに行こうかと思っていたところです。次は必ず、叡智の眼差しを持つ神鷲のごときあなた様に、相応しい商品をお売りしましょう」 「ンフンフ。ならば期待して待っておるぞ」 「ありがたきお言葉」 オッサンを見送り、扉を閉める。 「こここここ…こあかった…」 膝がガクガクしてもう立てない。レオニールごっこはメンタルがりがり削られる。 「ラム様っ」 天使…違った、アルトたんが心配した顔で駆けつけてくれた。 「本物以上にレオニール様でしたね!お客様の気分を害さず帰すなんて」 褒めてくれているんだろうけど、あまり嬉しくない…。とりあえずお礼を言う。 「この国は、金と神鷲が国旗に描かれているぐらい重視されているからね。おべっか過ぎたかと思ったけど、さっきのオッサンの胸に刺さって良かったぁ」 とりあえずもうお客さん来ないように戸締りしよ。アルトたんは言わなくても理解したのか看板を下げに行った。…看板出てたんだ。
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