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「君は過激派」「僕のアンチ」2曲続けてどうぞ
ノロノロとミノタウルスの胴体から抜け出したら、目の前にはもう1体のミノタウルスが氷漬けにされていた。
上位魔法…ってことは、ユーシュカくんではない。一体誰が…。
「ラム様っ!ご無事ですかっ」
真っ先に駆けつけてくれるアルトたん。
他の子達も『ママー』と泣きながら寄ってきた。…パパなんですけどね。
とりあえず…ホモ漫画にもなれないグロ18禁は回避できた、みたい?
「「…ラム?」」
アルトたんが顔に着いた血を拭ってくれるのをボーッと受け入れていたら、ミノタウルスの近くにいる男性2人の声が小さくユニゾンした。
この人達が助けてくれたのか。
あ、お礼言わないと…。
そう思い、2人の顔を見た。
「え…煉獄の魔術師ヴァルフレア!?それに氷幻の神槍ジェイド!」
見た目が若いけど間違いない!
でも…おかしい。魔法職のヴァルフレアが剣を装備しており、槍使いのジェイドは逆に魔導書を装備していた。
確かにこの2人で間違いないはずなんだけど…6年も前の世界だから、僕が知らないだけでこういう過去があったのかな。
「その名称を知っているってことは…本当にラムなのか!!?」
クールなヴァルフレアから想像もできない声量で話しかけられた。あまりの声の大きさにアルトたんなんて耳がペコーと垂れ下がっていr…アアアアア!何それ可愛い!!
「ラムもこっちきてたんだな!!!俺だ!俺俺!!」
君の名は…的な。押しが強すぎて振り込め詐欺みたいになっている。
はっ、そうか。本来のキャラとは違った性格…つまり僕と同じ状況のプレイヤーが他にもいたんだ!
僕の名前を知ってるってことは、面識ある人ってことだよねっ!誰だろー?
「俺だ!!ハナビシだ!!」
…oh。あまり会いたい部類の方じゃ無かった。
ハナビシさんはゲームでのジョブは侍から育てた上位職ケンセイだったから、剣装備しててもおかしくはない。
素材集めやレベリングによく誘ってくれた良い人だけど、僕がログインするたびに必ず現れてどこまでも粘着…ゴホン、ついてくる人だった。
僕のアンチコメには必ず噛みつき、あまりにもな苛烈なコメントにしばしば規制されることもあった。
つまり…君は過激派。
何でよりによって1割の確率引いちゃったの…。いやいや、助けて貰えたんだから文句は言えまい。
「ふむ。どおりで性悪そうな顔をしていると思った。あの女王様気取りのネカマなら納得だ」
女王様気取ったことなんかありませんけど!
あの聖人君子みたいなジェイドから辛辣なこと言われると結構傷つく!
読めてきたぞ。
ハナビシさんが居たんだ。この性格真逆なジェイドの中にいるのは…。
「てめぇ!ラムのどこが性悪だ!てめぇのが極悪だろうがっ!!この陰険クライブ!!」
…僕のアンチ〜〜〜〜!
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