俺たちの冒険はこれからだ!

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俺たちの冒険はこれからだ!

セクハラ発言あり? ○○○ 「はいこれ。アルトたんのは葉野菜多めにしているよ」 「ありがとうございます」 御者をするアルトたんは1人だけ操縦席に座るから、朝食用に作ったサンドイッチを一人前だけ別に包んで渡した。 ウサギさんだからなのか、お野菜が好きみたい。(可愛い) 最近、皆の好みに合わせて少しメニューを変えたりしているんだよね。元の世界だったら(一人暮らしだし)絶対しないけど、スキルのおかげか調理スピードも早いので苦ではない。 いや、今ならスキルなくても頑張るかな。子供達の美味しそうな顔が可愛すぎて。 はー。誰かに必要とされるとこんなにも満たされるんだなぁ。 「あー!ウサ公!風呂でラムのこと、スケベな目で見てねぇだろうな!」 早朝から近所迷惑な声量でアルトたんに突っ込んでくるハナビシさん。 アルトたんはまだ12歳(しかも天使)なのにスケベな目って…。 突っかかれているアルトたんは、ツーンとして無視をしている。この子強いぞ。 「うるさい、近所迷惑だ。あとスケベはお前もだろう」 冷たい目をしてハナビシさんの後ろからクライブさんが来た。正論である。 「うっせ!ムッツリはすっこんでろ」 「2人ともおはよー」 「ラム!おはよう!!」 ハナビシさんはさっきまで怒っていた顔が瞬時に笑顔へと変わり、挨拶を返してくれた。 「で。このウサ公にセクハラされなかったか?」 「怒るよっ」 「お前もたいがいしつこいな。先に乗らせてもらうぞ」 どうぞどうぞ。ハナビシさんは放っておこう。 「まま、お腹しゅいた」 馬車に乗り込むと、子供達のお腹がキュルキュルと可愛く合唱をしていた。 「ごめんね、すぐ用意するから」 イベントリから、サンドイッチと飲み物を出していく。 準備ができたぐらいに、馬車も走り出す。…朝ごはんを食べるからなのか、ゆっくりめで走らせている。さすがアルトたん。 今日も朝から元気に食べている子供達の姿にニヨニヨしちゃうなー。 ハナビシさんも子供達に混じってウメーウメーと言いながら食べている。 フムフム。ハナビシさんも子供達と同じで肉が多い方が好きなのか。クライブさんは肉も野菜も均等のものを選んで食べている。 …じゃあ僕は、残っている野菜多めのやつ食べようっと。アルトたんとお揃い! 「……ハナビシと同類だと勘違いしないで欲しいから前置きするが、これから付き合う上で懸念事項を無くすための質問をしたい」 無言でサンドイッチを食べていたクライブさんが急にそんなこと言うから身構えしまった。…な、なにか問題でも? 「その、昨日の水浴びでたまたま視界に入ったから気になっていたんだが…胸部の左右にある突起状の器官が、男にしては腫れていた気がする。それは最初からそうだったのか?」 「はへ?」 突起状の…?何か回りくどい言い方だけど乳首のこと? 「本当に勘違いするなよ。俺はただ、レオニールの身体的特徴だったのか、それとも腫瘍のような病気なのかを心配しただけだからな」 「……あっ。そういえば、ラックがおっぱいのおねだりをするから最近腫れてきたかも」 ラックとは、ちょうど僕がレオニールの身体に入った日、アルトたんが路地裏で捨てられているのを見つけて連れ帰ってきた犬獣人である。 どうやら産まれた直後だったらしく、人化もまだできないフニャフニャした赤ちゃんで、ママと勘違いしたのか夜中に突然、このぺったんこの胸に噛み付いてきたのだ。 あの時はビックリして叫んでしまい、アルトたんを起こしてしまったよ…反省。 歯はまだ生えてないから痛くないけど、何とも言えない感触でいたたまれず、ダメだよと離すと…鳴くんだよ…。キューンキューンって。 その声に心が折れて以来、夜中だけ好きにさせていたら…何か少し腫れてきた気もするんだよね。 「ラムの…授乳プレイ…」 さっきまで騒がしかったハナビシさんが、急に真顔でこっち(というか胸)をガン見している。 って、その言い方やめてくれる!?変態っぽいじゃん!!ぼ、僕は変態じゃないぞ!!? いや、本当に!!その、慣れてきたせいか母性に目覚めそうにはなっているけど…。 「…………………ふぅ。なるほど」 随分と長い間が空いたかと思うと、何度もなる『なるほど』と言いながら、サンドイッチを噛みしめるように食べているクライブさん。 納得してくれたのかな? 本当に僕は変態じゃないからね!?
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