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知らない天井だ
はっ。
今何時!?僕寝落ちてた!遅刻…は大丈夫か。2連休だった。
慌てて起き上がると、薄暗い石畳の部屋に場違いな貴金属の調度品が飾られているという謎空間にいた。
なーる☆夢だね!
むぎゅっと頬をつねったら普通に痛かった。…痛かった!?どゆこと?夢、じゃない?
「じゃあここはどこやねん…」
思わず関西弁が出た。福岡出身だけど。
「どうかなさいましたか?」
「うお!?臭っ!」
「え!?申し訳ございませんっ」
急に異臭とともに話しかけてきた少年?を見た。みすぼらしい…というか、服だけではなく肌や髪の感じから、お風呂入ってなさそうな痩せた子供がいた。
「あっごめんね?」
顔色変えて怯えるもんだから、反射的に謝ってしまった。いや、本人の目の前で正直に言っちゃう僕が悪いし。
「え?どうなされたんですか?」
謝ったことに心底驚かれている。そんな非人道的に見えましたか。ショック。
「レオニール様?」
いや、うん。謎部屋だけでも混乱なのに、さらに僕を混乱させるものに視線が離せない。
痩せた少年の頭に、アレがついている。
アレ。黒いうさ耳。
うさ耳つける前に服装とかお風呂とか気にすることあるでしょ!と突っ込む勇気がない。だって…ピコピコ動いてるんだもん。神経繋がっている動きをするソレの根元を確認してみる。
…。
……。
モノホンやん…。
えっ。えっ。なにこれ怖い。リアル過ぎて怖い。夢なら早く覚めて!
あっ、大型アップデート!?アレでキャラがよりリアルになったの?もうナマの域じゃん?
じゃあ頬をつねった時に感じた痛覚も技術が発達したからだったんだなぁ。
ってことはコレはカオスチェインの世界か!
よく見たら調度品とか見たことある!
良かった良かった。よし、それならログアウトして今回の大型アップデートの内容をちゃんと確認しよ。
ログアウトできぬ。
あばばばばばばばばばば。
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