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こんな所おさらばしてやるぜ!
2日目。目覚めてもやっぱり天井は変わらなかった。
昨日はあれから子供達の話を聞いたり、アルトたんが買い出しに行ってくれたものでご飯作ったり、お風呂に入ったりして1日が終わった。
僕が何かをしようとするたび、アルトたんがワタワタして可愛かったです。
一緒にお風呂入る時なんて、「思春期が…思春期が!」と言いながら目も合わせてくれなかったよ。一応この家に広い浴槽があったけど、アルトたんの体を洗ってあげている時にのぼせちゃったのか鼻血出していたし、お風呂自体に慣れていないのかも。
コッソリ寝室から出て、朝食の準備をする。
昨日は胃がびっくりしないようミルク粥とフルーツを摩り下ろしたものを食べさせた。
吐き出す子はいなかったし、朝は消化に良さそうな固形のものにしてもいいかな?
「ラム様!朝なら僕が用意しますよ。本当なら昨日も僕が準備するべきだったのに…」
厨房にアルトたんの声が響いた。
「あれー?早いね、もう少し寝てて良かったのに。疲れてるでしょ?」
他の子供達は、久しぶりのお風呂とまともな食事だけで疲れたのか、まだ眠っている。
「そんな!主人より遅く起きる奴隷なんていません」
良い子だなー。撫で撫でしちゃう。
ニヤニヤしちゃったせいか、アルトたんは顔を赤らめて目を逸らした。
「あの…今朝も仮面はつけないんですね」
「え。だってあれセンス悪過ぎでしょ。この顔晒すより仮面被ってる方が恥ずかしくない?」
そう。ダサい仮面外したら、レオニールのくせに中々の美少年だった。チビだとは思っていたけどまさかの童顔。むかつく。
主人のセンスをダサいと言い切れないのか、アルトたんは困っていた。かわいー。
「その…仮面より僕はラム様の顔が直に見れて嬉しいです」
モジモジしている。かわいーかわいー。
「えっと…良い薫りがしてきましたね!」
「うん。パンを作ってみたんだ。発酵スキル使ったし、もうすぐできるよ」
ふふん。グランシェフのジョブは結構上げてるからね!バフ付きの料理は重宝されたし。
細かく切った野菜のスープもできている。薄味だけど、ジョブのおかげかとても美味しい。
パンの匂いにつられたのか、他の子供達が起きてピョコピョコとのぞいてきた。
か、か、かわいーーー!
「朝ごはんできたから、手を洗っておいで」
朝からニコニコするなんて初めてかもしれない。昨日はテンパってたけど、これはなかなか…リアルより満たされるかも。
子供達が、朝ごはんも食べて良いの?と遠慮がちに聞いてくる。いいんだよぉ!君たちのために作ったんだから!!
昨日ほどのがっつきではないけど、朝も一生懸命に口に運ぶ姿に涙腺がゆるむ。いっぱいお食べ。今度からしっかり食べさせてあげるからね。
「ラム様、申し訳ございません。その…」
マナーなんて存在しないテーブルの状況に、奴隷の年長者でもあるアルトたんが申し訳なさそうにしている。
「いいんだよぉ。まだ小さいんだから。落ち着いたらテーブルマナーもちゃんと教えていくし」
とりあえず今はしっかり食べること!これに限るね!
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