2人が本棚に入れています
本棚に追加
結論から言おう。
私は使用人の元へ帰ることができた。
私は幻聴を聞いたわけでも、幻覚を見たわけでもなかったのだ。
あれから取り調べや身体検査を受け、無事に使用人の元へ帰るころには誘拐から実に3ヶ月が経っていた。
「おかえり」
「おかえりなさい」
使用人とその妻に迎えられ、久々に我が家の空気を感じる。
私は正直、使用人を侮っていた。まさか誘拐された私を探してくれていたとは。しかも結果的に見事私を見つけ出し、犯人の手から救ってくれたのだ。
私は素直に感動した。
「君は僕に最愛をくれたからね。これくらい当たり前だよ」
使用人はそう言い、私を新しいベッドへと下ろしたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!