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9/18(水)
■■■ 9/18(水)
大学生の夏休み終了間際、遠方の大学生らしき人がいたのでどこで私のお店を知ったのか聞いてみた。広告は全く出していないのに遠方の人が旅行ついでではなくて私のお店を目的にするのが疑問だった。
驚いたことに投稿サイトの作者が個人ブログ上で私のお店を紹介しているらしい。最近は忙しくてネット小説を読まなくなっていたので、気づいていなかったけれど以前読んでいた海辺のカフェの作者だった。閉店時間になってから確認するとその小説はお気に入りが数万になっていた。ブログを確認すると私のお店の成り立ちや拘りが書いてあって驚いた…。こんな事を知ってるのは毎日来ているあの男性しかいない。
自宅が二つあると勘違いしているあの男性は現在夕食を作っている。有休消化に入ってからは作れるメニューを増やしたいとの事で、夕食は男性が作る事になっている。もう一人のバイトがいる時は3人で夕食をしているが今日はいない。食事中にスマートフォンでブログを表示させて問い詰めると、自分だと認めた。今までどういうのを書いてるのか全く言わなかったのは、私のお店というか私を含めて小説にしていたから言えなかったらしい。
五月に聞いていたら怒っていたかもしれないけれど、人が増えた時期を考えると男性のおかげだ。恐らく男性がネタにしてくれなかったらお店を畳んでいたので感謝しかない。私の生態も書かれているので恥ずかしいけど…。
夢を続けれている事のお礼を男性に言うと、有名になれたら自分の原点は『ネコの遊び場』だと言うと言ってくれた。これ以上増えたら入れないし、男性は既に数作品出してて有名では?という言葉が頭をよぎったけれど野暮なので口には出さず、気持ちを有難く頂いた。
男性は私に夢を見続けるという事の手助けをしてくれた。私もお店で誰かの夢を見続ける手助けをできないかと思いながら、恩人を見送った。
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