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「ストップ! ストッープ‼」綾原が叫んだ。
「……それから翔川は」と光塚。
「もうやめてください!」
「最後まで聞くんじゃなかったのか?」
「すみません。先輩の忠告を聞いておくべきでした」
「なに、気にするな。これがどこまで事実かは俺にもわからない。伝承っていうのは尾ひれはひれがついてどんどん話が大げさになっていくものだからな」
その日の夜、テレビでは東京ファルコンズ対沖縄オーシャンズの試合が生放送されていた。遊びから帰ってきた部員たちと中継を見ていた綾原は、勝利投手としてお立ち台に上がった翔川遙道の姿を、直視することができなかった。
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